「就活する上で、自己分析が必要なことはわかるけど、他己分析はほんとうに欠かせないものなの?」という疑問が浮かぶことってありますよね。
説得力のある自己PRをするためには、自分を正しく知る必要があり、そのためには自己分析が欠かせないという理屈はわかります。でも、他己分析の有効性や必要性って、なかなか実感しにくいですよね。
就活をしていたとき、私もあなたを同じよう疑問を感じ、何人かの人に相談してみたことがありました。その時のことを思い出しながら、ささやかなアドバイスをさせてもらいます。
結論から先に言うと、「より優れた自己PRをするためには、他己分析も欠かせません。他己分析は自己分析のための近道です」ということになります。
これは、実際に自己分析を進めていくとわかると思うんですけど、自分のことって、実はよくわかっていませんよね。
自分で自分を分析しようと思っても、そこにはどうしても「主観」が入ってきます。「分析」というのは論理的に行われなくてはいけない作業ですよね。
そこに「主観」が入ってくると、論理的な作業になりにくくなってしまうわけです。
「自分はこういう性格だ」という主観による思い込みが、間違った自己評価につながることも少なくありません。
それに、自己分析って、やればやるほど自分がわからなくなってしまうこともありますよね。中には、「自己分析うつ」になる人もいるぐらいです。
そこで、役立つのが「他己分析」なんです。ほかの人の目は、自分の目よりも冷静で客観的ですから、より正しい分析が、一人でやっているときよりも短時間でできるというわけなんですよ。
他己分析をやってみると、「自分にはそういう一面もあるのか」という発見もありますし、すっかり忘れていたような、就活に生かせるエピソードを思い出させてくれるということもあります。
簡単に、他己分析をする際のポイントをお話ししておきましょう。
1つ目のポイントは、目的をはっきり相手に告げることです。
ただ漠然と「私はどういう人間だと思いますか」と質問するよりも、「就活の自己分析に生かしたいので、私に対する印象や評価を教えてください」という聞き方をした方が、より有効な答えが返ってくると思いますよ。
2つ目は、質問事項を箇条書きにして、相手に渡して書いてもらうこと。口頭で質疑のやり取りするよりも、その方が相手が本音を書きやすいからです。
3つ目は、できるだけたくさんの人に聞くこと。親しい友人や家族、サークルの先輩などだけでなく、たとえば「仕事でしか会わない、バイト先の先輩」など、関係性のあまり濃くない人にも聞いてみましょう。
他己分析を自己分析に生かし、有効な自己PRにつなげるためには、できるだけたくさんの人の「目」を通した材料を集めたほうがいいんですよ。
他己分析の作業はむずかしいものではないですし、それほど手間暇のかかる作業でもありません。先ほども言ったように、自己分析のための近道なのですから、ぜひチャレンジしてみてくださいね。